我が家の猫達は2022年に保護猫団体からお迎えしました。ここではイギリスの保護猫団体のこと、お迎えプロセスについて大まかな流れなどについて書いてます。
イギリスの保護猫団体
英国には大小さまざまな動物保護団体があり、どの団体も主に寄付金とボランティアの人々によって運営されてます。100年以上の歴史ある団体、英国王室関係者がパトロンとなっている団体、動物病院を併設している団体もいくつかあります。(英国王室がパトロンとなっているチャリティー団体はCharities and Patronagesデーターベースから確認できます)
下記は英国でよく知られている動物保護団体です。
- RSPCA 王立動物虐待防止協会
1824年に設立の世界最大級でもっとも古い動物保護団体です。イングランドとウェールズを拠点とし、犬や猫に限らず馬や豚、鶏などの様々な動物のリホーム、虐待されているペットの保護や怪我をしている野生動物の救助活動にも力を入れてます。低所得者向けの動物病院もあります。
→詳しい活動内容はこちらから - Battersea Dogs and Cats Home
1860年設立の犬猫専門保護団体で、サイト上で「At Battersea, we take in every animal who needs us. (私たちを必要とする動物は全て受け入れます)」と公言しています。ロンドン近郊に3つの支部とコミュニティを持ち、首相官邸で暮らしている猫ラリー君もここから迎えられました。
→詳しい活動内容はこちらから - Blue Cross
1897年ロンドンで働く馬の保護からはじまった動物保護団体です。馬や犬猫以外にもハムスターなどの小動物の保護とリホーム、低所得者向け医療の提供にも力を入れてます。2022年にはペット用フードバンクをオープンしました。
→詳しい活動内容はこちらから - Cats Protection
1927年に設立された全国展開している猫専門の保護団体です。猫の保護と譲渡活動をメインとしており、情報提供や万が一の場合に備えた後継人サービス、チャリティショップの運営などもしています。
→詳しい活動内容はこちら - SSPCA 動物虐待防止協会
1839年に設立されたスコットランドの動物虐待防止協会です。爬虫類などの保護リホームなども行なっています。
→詳しい活動内容はこちら
我が家の猫達はロンドンからケント方面をカバーしているThe Celia Hammond Animal Trust(セリアハモンドアニマルトラスト)からお迎えしています。
- Celia Hammond Animal Trust
1986年に設立された動物保護団体で、ロンドンを中心に3つの支部と2つの低所得者向けの動物病院を運営しています。英国内閣府にお迎えされたイービーとオジーはこの団体出身です。
→詳しい活動内容はこちら
英国で保護猫をお迎えするまでの流れ
保護猫団体から猫をお迎えするプロセス自体は日本と大きく変わりません。
まず、自分の住んでいる地域をカバーしている保護猫団体のウェブサイトにアクセスし、RehomeやAdoptについてのページを読んで条件などを確認します。多くの保護猫団体は保護されている猫の情報を写真と共に公開していますが、掲載されてない猫もいます。
つぎに、保護猫団体のサイト上で登録またはメールで問い合わせをします。後日電話やビデオコールなどで住居環境とライフスタイルの確認がおこなわれたあと、サイト上で見た希望の猫もしくは別の猫を紹介されます。
保護猫はRescue Catsと呼ばれています。Cat Rescueは保護猫活動のこと。里親のFosterは一時預かりのボランティアさんを指し、お迎えした人新しい飼い主はAdopterまたはOwnerと呼ばれます。譲渡にあたる言葉はRehome、(Homedはおうちが決まったこと)、お迎えはAdopt(Adoption)。
譲渡時に身分証明書の提示や後日の経過報告などは義務付けられていません。個人情報を守る法律The Data Protection Act 2018が関係してるとも考えられますが、虐待などの疑いがある場合はペットに限らず動物愛護法the Animal Welfare Act 2006に基づいてRSPCA(英国動物虐待防止協会)が動いてくれます。
お迎え(譲渡)費用
保護猫達は通常、マイクロチップと去勢・不妊手術、基本的なワクチン接種が済んだ後に譲渡されます。お迎え(譲渡)費用は1匹につき約60〜120ポンド(1〜2万円)ほどで、FIV/FeLVの血液検査をするかどうかは保護猫団体によって異なります。
お迎えした後も保護猫団体に寄付を続ける人も大勢います。
動物保護というチャリティー
英国では、保護猫をお迎えするということは、行き場が無く困っている猫に手を差し伸べてあげる、いわばチャリティー活動の一つです。自分の出来る範囲で行なうことが大前提です。
「体が不自由だったり深刻な病気を持っている猫をお迎えするということは、貴方の人生を大きく変えてしまう可能性があります。準備と覚悟ができてない人は応募しないでください」とRSPCAのサイトに記載されているのを見たことがありますが、冷静に判断したいところですね。
【最後に】英国で動物保護団体が生まれた理由は単純で、動物を大切に扱わなかった人たちが居たからです。しかしそこで、社会的地位や財力、影響力を持つ人々が動物愛護に立ち上がったことは、非常に大きな意味があったと思います。